古い倉庫の使い道
解体か、保存か
「市民の書斎」に学ぶこと
みどり市が、旧運河沿いの煉瓦倉庫を市民の書斎として改修する。いったんは解体に傾いた方針を覆したのは、2万筆を超える保存の署名だった。
古い建物をどうするかは、全国の自治体が抱える悩みである。壊せば維持費はかからないが、まちの記憶も消える。残せば費用がかさみ、使い道に頭を悩ませる。今回の判断は、その二者択一を超えた点に意味がある。
ただし課題も残る。総事業費は12億円。運営を市民ボランティアに頼る計画は、担い手が減ればたちまち行き詰まる。開館後の収支と人手の見通しを、早い段階で示してほしい。
建物は、使われてこそ生きる。住民の声を計画に取り込んだ手順は、他の自治体の参考になるだろう。
見守りの輪を
次の世代へ
あおば区の見守り隊が十周年を迎えた。隊員は80人を超える。朝の交差点に立つ人の顔を、子どもが覚える。地味だが、まちの安全を支える大切な営みである。
一方で、隊員の高齢化は進む。若い世代が参加しやすい形に改め、無理のない続け方を探る時期に来ている。
論説
静けさという公共財
図書館は静けさを守る場所だった。だがスマートフォンの普及で、静かに過ごせる空間は減っている。会話を禁じる部屋が公共の施設にあってよい、という考え方が、いま見直されている。
(論説委員 窓辺)
声
倉庫の書斎、楽しみに
子どものころ、運河の倉庫で遊んだ記憶があります。あの場所が本の部屋になると聞き、胸が熱くなりました。開館したら、真っ先に通いたいです。(会社員・52歳)
声
見守り隊に感謝
毎朝、交差点で声をかけてくださる隊員の皆さんのおかげで、安心して子どもを送り出せます。十周年、おめでとうございます。(主婦・38歳)
声
図書館に静けさを
会話禁止の部屋があると知って、安心しました。落ち着いて本を読める場所は、貴重だと思います。(大学生・20歳)