みどり市
川のまちの書斎、開館までの道のり
古い倉庫が、本を読む場所になった
みどり市=架空太郎
みどり市の旧運河沿いの煉瓦倉庫が、市民の書斎として開館した。保存を求める声から開館までの道のりを、たどる。
倉庫は一九二〇年代に建てられ、かつては川舟で運ばれた穀物を保管していた。市は老朽化を理由に解体を検討していたが、住民団体が保存を求める署名を2万筆集め、方針を転換した。
改修の設計を担当した建築家は「古い梁と煉瓦をできるだけ残し、静かに過ごせる場所にしたい」と話す。一階を閲覧室、二階を個人用の執筆席とし、蔵書は寄贈と購入を合わせて3万冊を目指した。
工事は十一月に始まった。職人は、傷んだ梁を取り替えず、補強して使った。煉瓦の壁は、汚れを落とすだけにとどめ、百年の時間をそのまま残している。
運営は、市民ボランティアが中心になる。司書の資格を持つ職員が常駐し、本の相談に応じる。開館時間は午前九時から午後十時まで、入館は無料だ。
開館の日、窓から川が見えた。水面に、倉庫の影が揺れていた。ここで本を読む人が、川の音を聞くのだと思うと、胸が熱くなった。